ボタン電池

無くなってみると、「ありゃぁ」と嘆く。そんなものが数多くあるが、その一つがボタン電池。ボタン電池に依存しない生活を送っていらっしゃる方には「馬鹿じゃないの」となるだろうが、電脳に囲まれた生活を送っていると「ありゃぁ」となる。水銀やら空気やらエネルギー源はいろいろだが、現状ではリチウムイオンの拡散による電荷の移動がほぼメインだろう。他の形式に出会う機会が殆ど無い。

携帯電脳のメモリバックアップなどは、メインバッテリに気を付けていれば4,5年はほったらかしだ。下手をすると一度も交換せずに本体そのものが昇天することすらある。それ程のものだから、エネルギーが枯渇すると「ありゃぁ」となるわけだ。当たり前に感謝せず、無くなって「ありゃぁ」と嘆くようなことはお仕事の世界ではあってはならないのだが、私生活的にはまぁ、どっちでも良い。嘆いてから何とかすればよい。

数年前から落とし物発見タグが流行っている。スマホと連動して振動や音で地層の下に潜り込んだ鍵などを発見しやすくするあれだ。カバンに着けていると、某所に置き忘れてきたことを明確にしてくれる。最近ではBluetoothで同様の機種を持っている人が接近すると、その方の電脳を経由して今居る(カバンなどが)場所を教えてくれるから有難い。有難いやら恐ろしいやらどちらか分からないが、そのエネルギー源がほぼほぼボタン電池なのである。年がら年中電波を発信するから消耗が早い。半年に一度の交換を要求される。電池業界の回し者化と思うが、使ってみると面白いから電池の交換をせっせとする。

複数個持っていて、更に2種類を使い分けていたりする。それだけどっかに何かを置き忘れてきたということだ。情けない話だが、電子タグはかなり便利である。携帯は正に携帯しているから、体から離れたその地点を教えてくれるだけでも心強い。しかし問題は気が付くと枯渇している電池のエネルギーである。「後、何日でエネルギーが尽きる」と教えてくれる機器は多いが、電池を見たら「3日後に交換してください」と表示される簡単な機構は出来ないものか?案外、ニーズがありそうな気がする。電気自動車だって電池のへたりや残量を知りたいだろう。こんなところに妙なビジネスチャンスが転がっているなと、他にもいろいろありそうだと。エネルギーを失った電子タグに、ちょっとうろたえている私であります。