小春日和

旧暦10月4日。約、一ヶ月半のずれで、明治政府が閏月の分を払いたくなくて新暦にしたとかしないとか、高校生の時に日本史の授業でかじったが、正確なところは忘れてしまった。宿舎を出る5時半過ぎには既に東の空は黄色く染まり始めているが、見上げれば星空である。快晴の冷え込みは時間と共に軟化して、小春日和になりそうな、そんな朝である。

小春とは季節感あふれる日本らしさであり、こんな文化を大切にしたいものだと常日頃思っている。最近頂くカレンダーの殆どは旧暦との対比が掲載されていない。宿舎には天文カレンダーなるものが掛かっていて、これには月齢や旧暦の暦が掲載されていて、親と対話をしているようで、妙に懐かしい。旧暦がなんだというわけでは無いのだが、太陽暦は暑さ寒さを意識的に感じることがあって小生は好きである。暦が世界で統一されていることには納得するが、地域性を勘案した季節感は大切にされるべきだ。

小生、小学校・中学校は勿論のこと3学期制であったが、高等学校は分けあって2学期制であった。それが大学に入ったら、教育大学故に3学期制となり、就職したら2学期制に戻ってしまった。3学期制は細切れになって授業の進捗など、また、事務仕事などが極めて煩雑だが、学ぶ側に立っていた頃を思い出すと、季節ごとの休みにサイクリングや登山でどっかに行ったとすると、それはそれで季節を感じていた。その頃の写真などを恐る恐る見てみると、それなりに季節感があって楽しい。

一方で既に11月は20日を過ぎ、今年も残すところたったの40日である。つい先日、学長の年頭所感を拝見したと思ったら、いきなりお正月の秒読みだ。早めに大掃除も開始しているし、1月2日の駅伝見ながらの独り呑み会で頂くお酒の選定も始めねばならぬ。ならぬのだが、まだまだ大仕事が沢山残っているし、実は、国の学術審査等は今が正にお正月であって、これからいきなり加速し始める。小春日和は心の中の暖かさであって、身は寒風真っただ中の私であります。