師走

師走である。額面上の師走であって、近年、立ち止まった記憶が無いので年中師走の勢いだ。働き方改革だなんだと世間は騒ぐが、ドミノ倒しよりも激しい勢いで仕事が増えるというのも、ある意味、毎日が働き方改革と言っても過言では無かろう。それでもまぁ、師走がやってきた。

暦の上のお話で、1日24時間と決まっているのだから、誰にも止めようがない時の流であるから、ほっといても師走は来る。尤も、時間をほっとかないなんて芸当は出来ないのだから、何があっても師走という境界はやってくる。先人の多くが仰っているが、年齢を重ねるごとに師走が早くやってくる。早くやってくるというくらいだから、何処かにリセット点があるはずで、それは恐らく正月だ。師走が来たら正月が来る。終わる月よりも来る月でそわそわするのも師走の定めだろう。なんだか邪険にされている月名である。

師走に何か思い出があるかと言えば、存外、何も無い。師走だからこんなに大変なんてことはなく、年がら年中苦行三昧だから、大仰に師走であるなんて始まったが、特に何もないのである。何もないからこそ戯言であって、これがだいご味というものだろう。それでも無理に思い出して、何か思い出すことがあるかと言われれば、博士課程の学生の頃にしんどいながらも頑張ったなぁくらいかな?小生の人生などそんなものである。

北海道では最高気温が氷点下と言っているが、なんだか名古屋地方はそれ程の冷え込みも無く、流石に仕事も食糧も自給自足できる稀有なエリアと感じ入る。そりゃぁ三英傑もでるわいなと、恵まれた土地柄である。穏やかな正月を迎えられると良いなと、既に師走は終わった気分でいるのだが、これから5月末までの継続師走状態を想うと正月くらいあってくれないとやってらんねぇやと、べらんめい口調にもなってくる。そんな師走の初日である。