雪国より友

遠方より友が来た。今年の雪はこの5年間であり得ないほどであると、秋田の友が語る。大雪で屋根からの落雪で大怪我を負う方がいらっしゃり、大変な事態であるとのこと。お見舞い申し上げます。行ったことが無いと決して分からないのが雪の凄さ。そりゃぁ、アルプス山中というのであれば納得はされると思うが、民家が並ぶその領域で、民家を隠す雪が一晩で振るのだ。振るという安直な表現では物足りない。

内陸では大風は吹かぬが、その分、ドカ雪となると友は語る。「のつのつ」と降るという表現がある。気が付くとにっちもさっちもいかないほどに、しかも静かに積もる雪の事だが、その体験は恐ろしい。ついさっきまで乾いていたアスファルトの路面がに1講義を終えたら1mも積もっているのだ。駅ではラッセル車が大活躍。今年はそんなもんでは無いらしい。

新潟の同級生が、北関東大学に居た時に「冬に雪が降らない空が憎らしい」と叫んでいたのを思い出す。憎いというその表現が適切かもしれないと、雪国の冬を体験させて頂いて実感した。それにしても名古屋の穏やかなこと。雪も地震も無い。天災から見放されたかと、それはそれで大変に有難いことだが、毎年、5mも雪が積もり毎朝の除雪が日課となることを体験される方々からすれば、それこそ憎らしいと思われてしまおう。

雪はなかなかとけないのだが、そのお陰でミネラルが徐々に海に放出される。名古屋エリアでは山から急激に土砂が伊勢湾に流れ込む状態が100万年も続いているから、極めて浅い港湾となる。大陸から離れて出来た日本海にゆっくりとミネラルが流れ込み、様々な海の幸をもたらす。凄まじく大変な冬だが、恵みも大きい。平準化された名古屋か極端な雪国か。まぁ、暮らすなら平準が良いかなぁと、随分と保守的になったもんだとちょっと苦笑いの私であります。