断捨離継続中

断捨離を進めると実に心地良い。十五、六年前の物が出てきて、なんでこんなものを保管しようと思ったのだろうと思うのだが、その時の決断力の無さが、タイムマシンのごとくに、その当時を蘇らせてくれるところが面白い。勿論、今となってはおさらばしていくわけだが、半年掛けて、当初目標に到達した現状を踏まえて、次の目標を考えている。どこまで削り込んでいこうか。

職業が良くなくて、職場には居室というのもがあって、そこに山のように書物が並んでいる。これをどうするのかということを考えると、その退避場所を作って置かないといけない。どうせ活用しなくなった書物など破棄すれば良いのにということなのだが、未だに情けないことに、ハードな書物の断捨離の決心が付きにくい。学術誌などは、古いものは断裁してPDF化をかなり進めたから良いのだが、とてもお世話になったハードカバーに対して手を振る勇気が湧いてこない。

片っ端から捨ててしまうというのが最も効果的なのだろうが、今の所、そこまで切羽詰まっていないということもあって、ダラダラと進めている。ものを増やさないというフェーズに入っているのだが、それには間違いなく電子化の恩恵というのがある。それと円安で、とてもでは無いが、趣味のレコードを海外から輸入する気になれないというのが幸いして、レコードの増加を食い止めている。電子化の恩恵は、CDを買うならネットワーク経由で良いやという時代のお陰である。無限に増えるのではと恐怖していたCDの増殖がピタッと停止している。

良書を揃え、悪書を駆逐する方針で書棚を埋めてきてしまったから、こちらを廃棄して・・とは容易ではないのだ。そこから得られた知恵の恩恵へのリスペクトというか、廃棄するという決断には当分到達できそうに無い。その一方で、断捨離は継続していくことになる。残った命を考えると、いつ無くなってもおかしくない状況にあるわけだから、さっさと進めないといけない。一つの引き出し、棚を空けるたびに「なんでこんなものを入手したのか?」と不思議に思うが、その時には必要と思ったのだろう。捨てきれないものがある。最後に残るのは何なのだろう。楽しみだ。