ドライフルーツメーカーなる、なんというか、食品用乾燥機を購入して一か月余り。これが面白くて止まることが無い程に動かし続けている。その以前にはスライスして大きな竹ざるに広げて天日干しをしていたのだが、唐辛子などになると一週間は平気で掛かるし、晴天ばかり続くわけではないから、これが結構、面倒な作業になるわけだ。干したり粉砕したりの手間を考えると、市販のスパイスなどは信じられないほどの廉価であると感じる。フェアトレードという認識が無いのかなと思ったりもする。
この季節になってくるとしいたけなどの価格がググっと下がってきて、これも干して出汁などに使うと便利なので、乾燥機で大量に干して面白がっているわけだ。生のままでは保存が厄介な代物だが、乾燥させると、体積は思いっきり小さくなるし、使い勝手もとても良くなり、先人の知恵に感謝するわけだ。それで目の前にシイタケの乾燥物が並ぶと、どうせなら、昆布も粉砕して、しいたけ昆布茶を作ってみたくなった。免疫力向上に効果のある代物だしね。これから寒くなってくるので丁度良いというわけだ。
それなりの昆布を購入してきて、乾燥具合をチェックしてみて早速、混錬粉砕を試みる。乾燥シイタケはそれこそ瞬時に粉末化されるが、昆布はなかなかにして手ごわい。ふるいにかけて微細な粉だけを取り出して、早速、熱湯に溶いて頂いてみた。ほんのりと両者のアジト香りが伝わってきて、実に味わい深い。要するにだし汁を飲んでいるということなんだけど、そこではたと気が付いた。大袈裟に言う程のものではないが、市販の昆布茶との違いを思い切り感じた。自作しないと分からない人工調味料の味が無い。
市販の昆布茶の原料には、確かに「調味料(アミノ酸)」としっかりと掛かれている。味の素の正体であるうまみ成分なわけだが、昆布茶の味が調味料の味だとは、情けないことに今まで意識を向けてこなかった。偽物慣れということだ。やらなくても良いことをやらないと、この国の民は購入しないということだろう。偽物慣れ。それがこんな一般的な商品にまで入り込んでいたとは情けない。生活も見直して手作りしていく。とことん追及していく。江戸時代に先祖返りだが、そんなものかもしれないね。