実質GDPが落ち始めたからかどうか分からないけれど、豊かな日本を目指そうという、何というか、概念的と言うか、啓蒙的と言うか、そんな講演会のお誘いが増えてきている。小生的には工学は笑顔の為にとずっと言い続けているので、余りにも当たり前すぎてどうリアクションしたら良いのか分からない。自社はこれを短納期・廉価で御社にお届けしますよということだけを川下企業は川上企業に強要してきた慣習が変わったとは思えない。
例によって引っ越しのお話も絡んでしまうのだが、価値観とか美意識とか文化とか、そんな意識で買い集めた書籍が続々と現れて、分子間力だけではなく、地域文化の発展の歴史とかね、本当に大切なところはそんなところにあるに違いないのに、無理やりの工学的アプローチで、公害を発生させたなんて議論はナンセンスだが、金銭至上主義をこのままつっぱしってもなと思うのだ。
カーボンニュートラルという議論だって、結局は、経済活動をより発展させながら、CNを達成させなければならないみたいな、企業が儲かり続けること、株と言う仮想空間でのゲームに浸って、それを工学は支え続けてきたわけだが、そろそろ知恵の高揚というか、人が人を幸せにする喜びというところを真面目に考えるべきである。
手元に「豊かな未来社会の共創」などというチラシが置いてあって、こんなもん、20年前に小生は学会でも授業でも話をしていたことだと、温故知新では無いが、昔のプレゼンを覗いてみても、豊かな未来社会の共創が儲けたお金を給与に反映させるにはという文字が浮かぶチラシをみて、結局はそこから脱却しないのだと、旧態依然の思考に驚愕する。やせた心だなと失笑するだけだ。