旅について

月日は百代の過客にしてと、旅の先哲は残されたが、小生的には基本は新幹線、遠方は航空機利用と、月日を掛けずにどうやって距離を稼ぐかにご執心である。秋田 などは二度ほど鉄路を利用したが、それだけで嫌いになりそうな、恐ろしい距離である。移動空間を楽しめなくなって久しい。 

新幹線などは一時は仕事空間として活躍していたのだが、なんだか時の奴隷感覚に襲われて、仕事なんかするものかと思ってはいるのだが、バッグに書類が入っているものだから、無意識に引っ張り出している自分がいる。まぁ、病気の領域ですな。 

その点、国内の移動において航空機は、荷だなからバッグを下ろすのも面倒だし、気圧が低くて酸欠で頭は停止するから仕事などはしない。到着地が吹雪などと脅かされると、これは穏やかではない。突撃宜しく、車体を横揺れさせながらの着陸は肝を冷やす。何度体験しても慣れることはない。 

しかし、旅は良い。日帰りだろうが委員会のお仕事だろうが、平常とは異なる状況になるのは良い。肉体も精神もボロボロになって草臥れるが、それでも優れた方々との出逢いは素晴らしい。自分の価値観を押し付けることの無い、裏で悪口を言うこともない人達との出逢いは爽快である。今日もお江戸である。日常になりつつあるが、気を引き締めてお出掛けである。それも旅だ。