医工学連携

自治体がシンクロしないと、税金の無駄遣いになる事例として、名古屋市と愛知県の展示場を挙げることができる。両方合わせれば結構良いものが出来るだろうと思うのに、意地の張り合いで中途半端なモノが出来る。街中に吹上ホールがあるのだが、これは中途半端というよりは、場所の利便性と言う図抜けた優位性があるので、これは良いのだ。ビッグサイトと並ぶくらいかそれ以上のものを作らないと世界から人を呼べない。

先週はセントレアエリアにある国際展示場に出掛けて、医療機器展を拝見してきた。商工会議所主催の展示会で、中部地域の医療に係るものづくりというか、仕組みと言うかそんな展示が成されるということで、医工学を一つの柱とする鶴舞大学として連携の在り方を拝見しに行ったわけだ。医療分野は「許認可」という高いハードルがあって、そうやすやすと参入できない分野で、いわゆる参入障壁を作って新規参加者を撃退する仕組みを作っている。大学としてもおいそれとは近寄れない仕組みだ。

仕組みが無いなら作ってやろうということになるわけで、すると学ばないといけないということになる。学ぶ場があるならば出かければ良いということで出かけたわけだ。医療機器に関係する展示会で常に感じることは売り上げ規模が極めて小さいということ。利益と言ったら良いだろうか、それが出ないけどやってますみたいな。それは絶対におかしいのですよ。良品なのだからそれなりの利益が無ければならないが、最終顧客が患者と言うことで、べらぼうな商品価格設定が出来ない世界。

一品一品は素晴らしい仕上げで匠の技を感じるのだが、量産による利益からは遠いところにある。それを解決しなければ医学と工学の連携はできたとしても、医工産学官金連携にはならないのだ。そこに活路がある。そこに飛び込んでいくべき隠された扉がある。こじあけようではないかと握りこぶしを作った、そんな出口であった。