本社考

気温が上がったり下がったりで、全国的に体調不良者が多く、コロナ・インフル・肺炎という三重苦患者が急増しているとの事。皆様、ご自愛のほどを。時節の挨拶は似合わないからこれくらいにして、本社と大学改革の関係性のお話。これはあくまでも小生がY学長に連れられて文科省のお役人部屋に連れて行って頂いた時からの経験談なので、別の方の経験談とは異なるので要注意。

気が付くと20年以上も前なのだけれど、当時は国立大学を減らそうという圧力と言うか、それがトレンドとなっていて、名工大ならではのというか、領域横断思考が必要な工学部としてはこうだろうなという思考で改革案を持って行くのだけれど、本社の皆様は改革せよと言っておきながら「それではダメですね」と撥ねつけてくる。若気の行ったり来たりで「かっ」っとなるのだけれど、やり取りの度に良くなっていって、最後は財務省と戦って頂けることが解ってから、本社って凄いなと感じた次第。

何でこんなことを言い出すかなのだけれど、本社に成す提案について、きちんと腑落ちしたものを持っていくわけで、そうであれば、本社の狭いテーブルで複数名が眉間に皺を寄せて提案書を睨みつけ、いじめの様に迫ってくる。それは決していじめでは無くて、大所高所から「もっとこうした方が良いのでは無いの?抜けがあるのでは無いの?」というご指導であったわけだ。その時に、自らが主導的に考えた案で無いと直ぐにばれるし「そんな提案にはお金は付けないよ」となる。

「そこまでこちらの意を理解して、思考された方に出合ったことが無い」とお褒めのお言葉?を頂戴したことが1度だけある。褒め殺しかと思ったけれど、ちゃんと億のお金を頂戴出来たからお役目を果たせたなと、後でほっとしたことを覚えている。どんなポジションにおいても、リーダーであるならばそうあるべきだ。押し付けられた提案リーダーであったとしても、自分事として受け止め、そして責任を背負って本社のエスカレーターを上らないと、帰路には真っ暗な視野しか生まれない。これからの皆さんへの花向けの一言である。