オタクを救う機器

こんなものがあったら有難いと、探してみるとあったりする。御同輩がいらしゃると言うことだ。HDMI端子を持つ機器同士を接続すると、映像と音声が小さい端子を通して送信される。デジタル信号をそのまま受けて、最終的に内臓アナログスピーカーからTVモニタであれば音声信号を出力してくれる。音の良しあしは置いておくとして、ちゃんと音として聞こえるから面白い。デジタルオーディオが当たり前になるわけだ。

その当たり前だと困ってしまう、古典オーディオオタクが居るわけで、WE555WとAltec604Bから何が何でも音を取り出したいわけだ。となると、HDMIの音声信号を横取りして、アナログプリアンプに放り込み、パワーアンプから出力する必要が出てくる。ブルーレイディスクの音を、TVモニターから取り出しても面白くもなんともなく、画面が大きくなっても喜びは全く小さいままである。

HDMIの仕様を拝見して、これならオペアンプでなんとかなるのではと思い、いやまて、一人のオタクが欲するのだ。キングジムさんであれば、役員の1名が欲しいと言っただけでポメラを作って売っちゃったんだから、世の中の古典オーディオオタクの数を考えれば、きっと信号取り出し器は販売されているはずだと調べてみたらあるわあるわ。

置いてきぼりをくったオタクを救う機器を早速入手して試してみると、予想以上の効果を得て満面の笑みである。オーディオオタクがどこまで踏ん張れるかだが、海外観光客は、日本に残ったアナログLPレコードを買いあさって海外に持ち出してしまっているという。まぁ、板のほうは間に合ってはいるが、これから出てくるデジタルの板を楽しめるのは愉快である。隙間商材ということだが、技術経営とはこんなビジネスモデルを作り出すことでもある。当たり前は駆逐される。そんな時代である。