学び方を学ぶべき

人がどんどんいなくなるのだから、国が衰退するのは当たり前という議論があるが、人が大勢いたら国は発展するのかという単純な問題でも無かろう。ただ、若者が減り続けるという現状は歓迎するべきでは無いのは、そう思う。スポーツの祭典を拝見していても、溌溂とした若い方々の漲るパワーの発散に惹きつけられるし、日の丸の勝利は嬉しく感じる。猛烈な勢いで減少し続ける日本国民であるのだが、それ以上のスピードでGDPが低下を続ける。これを真剣に考えねばならぬ。

国民力という言葉があるのかどうかは知らないが、我が国発の商材が、海外にどれだけ受け入れられているのかという観点において、貿易赤字は明かに、受け入れられていないと判断するべきだろう。為替相場にしても、円が極端に弱くなっているのは、我が国の価値が世界から見て相対的に低下していることの表れとしか思えない。商材の価値が認められないから、その国の貨幣は弱いとなるのが自然の流れ。

ただ、輸出額は労働者人口が減っていると大騒ぎをされているにも拘らず、上昇基調にある。すると、総力戦で頑張っているということになるのだろうか。ベテランの頑張りが大きいのだなと感じるのだが、それはベテランが造れる商材が今のところ海外に買って頂けるだけの機能を有していることの裏返しであって、ベテランが若手を引っ張り上げているという事なのだろう。しかしそのやり方は何時か貯金が尽きるのだ。

オープンイノベーションなどという単語が踊り、DXに代表される「X:トランスフォーメーション」という現象が求められてはいるものの、意識は変わらず、独り勝ちを目指すビジネスモデルは変わらない。鎮守の森を守るのは良いのだが、過去の商材の価値にしがみ付いて、新奇な挑戦を放棄すれば、そこには敗北だけが待っている。リスキリングという単語も踊るわけだが、何を学んだら良いのか分からない状態では無いのか。そうであれば学び方を学ぶことだ。終身雇用など過ぎ去った幻影である。まず、そこから意識を変えるべきだ。