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IPCCが3月20日に第6次評価統合報告書を発表した。拝見すると「まだ希望はあるよ」ということは書かれているのですが、「どこに?」と疑問を呈したくなる。気候変動を逆転させる方法は、カーボンネガティブしか無いのは当たり前なのですが、世界中でCO2排出量を減らしましょうと気合を入れてきた2010年から2019年の間に、年平均排出量は過去最大を記録したとのこと。コロナ禍で世界の経済活動が停止して、若干、下ぶれしたのは有名ですが、それまではせっせと地球を暖めていたということだ。

報告書を鵜呑みにすると、平均気温上昇を1.5度に抑え込めば何とかなるということなんだけど、それを達成するには、2025年までの間に、CO2排出量がピークアウトしないといけないそうだ。ふぅんと思ったのだが、残りは2年程度ですな。新規の火力発電所とか、自然エネルギー源製造にムキになっている現状において、そもそもそれは無理だなと、誰もが実感すると思うのだ。全ての経済活動を止めて、ひたすら手動の農業に邁進するとかね。そんなことでもやらない限り、危険限界の平均気温2度上昇に向かうでしょう。

化石燃料採掘も停まって無いしね。夏が来れば冷房したくなるし、冬が来れば化石燃料を燃やしたくなる。誰がそれを止めることが出来るのか?日本の少子化では無いけれど、夢を描けない社会に、子供を産み落とそうなんて思う人は無責任だ。描いた夢にしがみ付いて、歯を食いしばり血を滲ませる者が子供を残す。そんな時代だ。ずっとずっと先延ばしすると、もうどうしようもありませんよとなる見本だ。温暖化もその事例だ。

最早、激しい気象環境と付き合って、どのように食物生産を続けるとか、工業製品製造を行うのかとか、人類が生存したことの無い悲惨な自然環境下で生き抜く方法を模索する時期に来ていよう。インドの巨大経済圏からアフリカ経済圏の大規模発展が続くことを誰も止めることは出来ない。その時、地球はどうなっているのか?見ることが出来るか解らないが、少なくとも省エネに貢献する研究だけはしてきたと、思うしかあるまいと感じている。遥かなるカーボンネガティブである。