教育万歳

教育論というものがあって、中国から官位が伝わってきた時に伝来したと言われていますが、その原本を拝見したわけでは無く、ガマの油売り大学で教員コースの講義で学んだだけだ。個性的な先生方の講義は今も目に焼き付き、耳に残っている。先生方の身振り手振りがビジュアルで浮かんでくる。オリジナルの素晴らしさということなのだろう。全ての先生がそうであったわけでは無い。しかし、確実にいらっしゃった。

元教員となって久しく、教育業務はご法度なわけだが、依頼を受けて特別講演という形でお話をさせて頂いた。ややこしい話は飛ばしてしまうが、技術経営コースでの講座なのだが、やりたくてそこに居る人達だけの集まりに向かって語らせて頂くと、消費したエネルギー以上がこちらに跳ね返って来て、益々、体温が上昇してくるのを感じる。上昇し過ぎるとあちらに行ってしまうから、受けたエネルギーを更に増やして聴衆に跳ね返す。すると更に強いエネルギーが嵐の如くに身体を叩きつけてくる。心地良い。

僅か45分であったが、最終講義の場を頂戴し、こんなに有難く、そして忘れることが無いであろうその瞬間を共有させて頂いた学生諸君と、先生方に心より御礼を申し上げたい。教師に成りたくてなったわけではなく、恩師が勝手に決めた道なのだが、いつの間にか熱中できる天職となっていたのかもしれないなと、激しく疲労した自分を振り返って実感した。辛くて厳しい道のりであったが、それが性に合っていたのかもしれないと初めて思った。

まぁ、聴かされる身になってみると、宇宙人が宇宙語でまくし立てて、こんな生命体が地球に居たのだと珍獣に出合った気分であろう。驚天動地、阿鼻叫喚では無いが、そんなスペクタクルを味わって頂けたかもしれない。ドーデ―が「フランス万歳」と主人公に板書させた気持ちが分かった気がする。教育万歳。それに尽きる。