今現在、大学受験者数が66万人程で推移している。面白い事に、この10年間、ほとんど変わっていない。で、この10年間くらい、少子化だから大学を無くすべきだと、声高に叫ばれてきたのだが、18歳人口は2010年から115万人程度でほぼ横ばいであった。勿論、その前から比べると大きく減少していて、1992年の205万人から2010年までの約20年間に90万人減ったのだから大変な出来事であったのは間違いない。定員削減や大学消滅があっても仕方が無かろう。
昨日、出生数の速報値が出され、多くのメディアで取り上げられたわけだが、80万人を割り込んだという。今年度で112万人だったので、それが18年後には80万人を割り込むということだ。その時の受験者数の割合が今と同じと言うことかどうかは解らないし、大学と言うカテゴリが残っているのかどうかも解らないが、確実に人口は減っていくのだ。それは単純に、あくまでも単純に考えると、出生数の加速的な減少に繋がっていくと考えるのが自然だろう。
リーダーは危機的状況だとか、異次元の対策を打つとは仰るのだが、未だ、具体的な政策が見えてこない。いや、今のリーダーに責任を負わせるのは間違っているだろう。ずっと政策のトップがほったらかしてきたのだから。そしてほったらかしている政権がずっと国民から支持をされているのだから、それにとやかく言えることは無いだろう。ただ、なんとかするべきだろうという声を上げるのは間違って無かろう。80万人割れと言っても確率的な現象でもあるのだから、コロナ禍等の要因で、推計より早まったのかもしれない。
ただ、18年後、いや来年も再来年も、大学の受験生年齢の絶対数は確実に減少するのだ。半導体産業の高度化だのAI人材だのと叫んでいるが、その分母が急速にしぼんでいるのは間違いない。すると現役も頑張らねばならないし、若い方々が学ぶ領域も圧倒的に広がらなければならない。出生数を増大させることと、子育て支援金を無尽蔵に増やそうといお話はまるで次元が違う。今の票に繋がる政策では無く、国家の有り様を考えるお話だ。18年後、草葉の陰から拝見することとしよう。