知の深化

気が付けば街路は黄色く染まり、見上げれば春を待つ新芽の時期になっていますね。寒かったり暑かったりで間もなく12月を迎える今日、皆さま、いかがお過ごしでしょうか。別に誰に話しかけているわけではないのだが、いかがお過ごしと言われても自分なりに過ごしていますとしか、小生自身も言えません。この、自分にしかできないということを思いっきり深化させるべきではないかというお話。

知の深化と探索。両方が必要で、社会に笑顔をと言ったって、自分自身で手も足も出ない領域で頑張ろうというのはほぼ不能だろう。中にはウルトラ器用な方がいらっしゃって、自分のメジャー以外でも片っ端からベテラン並みかそれ以上にこなしちゃう姿をお見掛けすることはありますが、まぁ、一般的にはそれは不可。だからこそ、まず、自らは何者かという深化が必要。

深化と言えば研究者の得意技と思われますが、大学というところは研究だけをすることを求められているわけでは無いので、自らのアイデアの深化という点において、雑音が極めて多い厳しい環境と感じます。バブルの前に知の探索との分業を企業と完全に成していた時代においては象牙の塔に籠ることができた時代。知の深化にはもってこいの環境であったことでしょう。「雪が降っているから、こんな寒い日には講義なんかやってられるか!」と教授が教室から出てっちゃったなんてことが普通にあった。

外界から遮断して知を深化させる時間のなんと短いことかと嘆くよりも、そうであればそれはひとまず置いておいて、探索に広げてみよう。これを可視化するツールがバリューブリッジであって、名工大はそれを生み出した環境という点においては、深化も探索も可能な環境なのかもしれない。これからの10年、20年、ミサイルが普通に飛んでくる時代であるから、何が起こるか分からないが、きっと人は知を深化させるために生命として存在しているのではと思う。その人達のお手伝いをさせて頂ければと、心底思う落ち葉の季節であります。