24万年の果てに

ヒッタイトの人々が、炉で鉄を作ったのが24万年前。隕石からしか手に入れられなかった鉄を、人類が自ら鉄鉱石から高濃度に抽出し、鉄の塊に到達したことは、正に偉業だと思う。鉄を作り続けるために大地を掘り、そして山を切り開く。鉄と言う、様々な道具に形を変える便利な素材を作り続け、その使い道にあった精錬方法を見出してきた先人の努力に圧倒される。

呉にある高炉3棟の火が2023年には全て落ちるという。企業としての生産能力が過大だからという判断に、日本の火が消えるような薄ら寒さを感じるのだ。インフラ、工業製品の中核材料を、国内では使い切れない程になっているということだ。まぁ、要らないダムや橋が出来続けるよりはましかもしれないが、国の体力が無いということなのだろう。

鉄は便利な事この上ない。初期宇宙の形成時に既に出来上がっていた元素であり、宇宙全体に広がっているいわば空気のような元素である。宇宙の創造主が創ったみたいなことを言うと、薄ら笑いが聞こえてくるが、全く気にしない。日本の国において、鉄の新たな使い道が見つかりませんと言うことなのでしょう。

いや、我が国に限ったことでは無いのかもしれない。ドローンにしろ自動車にしろ、鉄と言う丈夫が売りな部分は、炭素繊維強化プラスチック等、他の素材に置き換わっている。鉄に見切りを付けた勇気なのか、将来、なんらか、使われる鉄を捨てた愚なのか。数十年後に答えが出るのだろう。その時を見届けることが出来ずに残念である。未来の方々、よろしくお願い致します。