液晶よおまえもか・・

我が国から液晶ディスプレイメーカーが消えてしまうとの事。技術先行でビジネスで負けるというのは「またか」ということなのだけど、S社殿の液晶パネルにはちょっと想いが強かったので、とっても残念な感を抱いている。小生が博士課程学生の時、就職活動中に拝見した対角30cmの「超巨大」液晶パネルの迫力は物凄かった。これは凄いと思った。液晶を探すのは人力で、ノウハウの塊と言うのにも驚いた。35年も前のお話だ。技術が産業産品に化けた後は、価格競争だけになるのだなと寂しい思いがする。

K山工場も拝見いたしましたよ。凄いの一言だったのですけどね。その後、有機ELパネルの登場で、これも驚きましたね。これまた原理原則が解ってしまうと、どんどこ近隣諸国に主役の座を奪われて、結局、価格競争に負けっぱなしの状況は変わらない。ディスプレイというAI時代の主役のマン・マシンインタフェースなんだけど、日本製って何処に行ったら見つかるのかなと、なんだか寂しい思いばかりだ。

知財戦略だなどと言ってみても、要素技術って代替技術が出てくると、もう、そんな知財など要らなくなっちゃうわけで、それが大学発知財の最大の弱みだったりするんだよね。知財を提出してから学会発表という流れなんだけど、学者っていつの間にかカンコツまでしゃべっちゃうからいつの間にか真似されて、それよりも応用範囲が広くて活用しやすいものを出されてしまってギブアップ。

知財と共に起業して、自ら社会に出すというのは正しい方向性だと思う。勿論、基礎研究だけに打ち込んで、世界トップペーパーを出しまくっていらっしゃる研究者はそんなことをする必要は全く無いけどね。そうであっても気力溢れる若い学生諸君にチャンスを与えて、起業させる懐の広さを持って欲しいなと思ったりする。社会を楽しくする目に見える技術はあっという間に真似されて広がっていく。それは良い事だとは思う。人々を驚かせ続けることがどれだけあるのか?起業者にエールを送るばかりである。