時代の転換を受け入れる

鉄のついでなんですけど、製鉄が現在のトルコの辺りから世界に広がっていったわけなのですが、日本に入ってきたのが弥生時代の頃。遺跡に痕跡が残っていることから間違いないでしょう。元素分析をすると、大略の生産地が解るわけで、朝鮮半島から入ってきた鉄もあれば、大陸に日本から出ていった鉄もある。交易の道具、即ち、貨幣的な価値を持っていたこともあったとのこと。

農機具や建築道具としてはそれまでの青銅や石の道具に比べれば圧倒的に優れていたのは間違いなくて、いきなり、大型の見張り台や宮殿が出来上がってきたのは周知の事実。ご先祖様達がしっかりと鉄を使いこなしていらっしゃったことに驚いてしまいます。その鉄が売れなくなっているという現状はやはり寂しい。

鉄を家具に使うという方向性を持って、新しい市場を作っていらっしゃる方が関市におられるが、これなどは新たな方向性として「あり」だと思う。現場も拝見したが、実にユニークな取り組みであると思う。自動車生産で培われた高い技術力は間違いはなく、突然、椅子が崩壊するということは、恐らく発生しないだろう。

とは言うものの、確かに、身の回りで磁石がくっつく物品がとても少ないのは間違いない。鉄原子を使っているという範囲で考えると、それはとても広くなるが、「The鉄」という製品は、確かに身の回りで見かけない。針くらいなものかもしれない。AIやロボットと人が置き換わるように、軽量新素材と鉄が置き換わると言う事か。時代の転換。成る程というところだ。