世界第160位

経済状況に大きな不安があると論じられているわけです。この19日以降の他県への行き来解除で、日本中の観光地が5割から8割の賑わいを取り戻したということで、どん底からは回復基調にあるのかなと思ったりもするわけですが、しばらくはおっかなびっくりの状況なのでしょう。土曜日に例によって買い出しに出たのですが、それこそ他県ナンバーが街中に溢れ、交差点の渋滞が戻ってきてびっくりいたしました。恐らく、多くの方が同様の光景に出会っていたことでありましょう。

言いつけを守るというのが現代日本人の特性なんですかね。ずっと抑圧された生活が続き、遺伝子に為政者への恐怖心が埋め込まれてしまっているのかもしれない。至誠の人とは言うけれど、真の勇者を目指せという教育は戦前までであり、今の時代にそんなことを言おうものならどれだけ叩かれるか。小生的にはそっちを目指したいわけですけどね。で、たまたま目にした数値で面白いなと思ったのが、日本は真に輸出大国か?という根拠。輸出総額はご存知の通り世界第4位で、自動車産業を中核として外貨獲得に大いに貢献をしているのは事実。一方、対GDP比に直すと世界第160位で、世界に国っていくつあったっけ?と愕然とするわけです。

国民総生産に対する輸出金額ってそんなに小さかったのかと驚かされたわけです。輸出大国なんてとんでもない幻影。中小企業が多いわけですから、生産性が低いのは間違いないわけです。投入した資源に対するアウトプットが生産性であって、中小企業においては大企業の41%の生産性となっているという統計がある。手間を減らそうではなく、根性で乗り切ろうとなってしまうと、一気に生産性が落ちるわけで、知恵を現場に皆で投入しましょうということなのですが、小規模であればあるほど実現しないといけないのに、根性方向に行ってしまっているということですな。

派遣企業と5年雇止めの議論は常に中途半端なところで空転するわけですが、雇用される側のセーフティーネットを築かずに非正規雇用者を増やす規制緩和をしたわけです。雇用する側が強大な力を持つことを加速させ、我が国の労働生産性は世界の20位程度(数字根拠に疑念があるので、程度という表現をさせて頂いています)というところに収まっている。顔が見えないと労働していないと思う年配上司が多いことからもそれは明らかでありましょう。世界の笑顔を導く技術を輸出できるような、基礎的技術力を圧倒的に高めていく教育に力を注ぎ込まないといけないわけで、低賃金の国民に旅をして金を使えという謎の政策が出てくる国ってなんなのだろうと感じた、世界第160位に嘆いた私であります。