トヨタ車がワイヤーハーネス不備で102万台のリコールを受けるという。我が国の産業の、間違いなく頂点に君臨する企業の落潮ぶりと言おうか。世界中で狙われた日本の失策ということなのだろうか、天狗になったらすくわれるのは足元であって、ビジョンは一度決めたら永遠という、美しき日本の在り方を示しているといえばそれまでだが、その結果、ハーネス容量が足りないという、大学1年生でも考えそうな設計ミスは頂けない。
いろいろな方に言われる。そして見下される。大学人などが趣味の研究で何を言おうと、会社はそんなバカはしないと。バカだって人は殺さない、それを大量生産などしない。バカとおっしゃった方々が、絶対に安全だと仰った、彼らの生産物が走行中に燃える可能性を呈したということは、どういうことなのだろうか。
反省することは山ほどある。それは我々大学人にある。現場で設計等々に関わった者の中には、わが大学の卒業生も関わっていたことだろう。それなのに自動発火装置を装填した自動車を街中に放ったのは、わが大学の教育であったということになる。これこそ反省するべきである。エンジニア教育は当然のことながら、倫理教育もなっていなかったということだ。
簡単に研究・開発と言う言葉を吐く者が居る。研究と開発とはまるで違う。それが解っていないと、こんなハーネスで宜しかろうとなってしまい、多くの人を苦しめる。台風でタンカーが関空の橋に激突し、取り返しのつかない状況を巻き起こした。これもエンジニアの犯したことだ。原発事故で技術に絶対は無いことが解ったのに、未だにその反省は無い。これが教育の成果?違うと叫びたいが結果は102万台のリコールだ。ソーシャルな教育と倫理教育。それだけで良い。大学でなすべきはそれだけだろう。それを蔑ろにしてきた結果が102万台。そんなもんだ。