分子と言っても巨大なものから水素分子まで様々なサイズがある。それらを機械加工で制御出来たら、まぁ、大概のことはできますわな。「弊社の技術はとんでもなくすげぇぜ」と仰る方の加工品を拝見すると、鏡面仕上げと言っておきながら、とてもナトリウム発光の1/20波長の凹凸を下回る仕上げでは無い。これは加工とは言わない。破壊と言うのだ。
その破壊の具合は、素材表面から数十~数百までに及ぶ。それを意識せずにモノを加工で作ってきた日本なのだから、そりゃぁ、車軸も折れるしタービンブレードも吹っ飛ぶわなぁ。まぁ、そんなレベルの我が国ということだ。となると、これは裏を返せば伸びしろが無限にあるということだ。これは凄い。
いっぱいいっぱいのかつんかつんだと、もうどうしようもないわけだが、そうではなくて、思いっきり頑張る余地がいくらでもある。あるのだから図面など待たずに自ら商品製造に向かって動けば良いのに、それは決してやらない。待つ、ひたすら待つ。何を?図面を。この繰り返しを断ち切らないのであれば、我が国はもはや国では無いね。
医学の進歩が素晴らしく、しかし工学が追い付かずに、薬の価格がべらぼうに高いのであれば、分子レベルでモノづくりをしようではないか。様々な困難があろう。困難を与えてくれる事例は最近にしては珍しい。挑み続けるしかないのだ。カン・コツの世界の定量化、そして脱却。それが進む道だ。誤ってはならない。