ハゲタカの国

翻って身の回りを見てみると、型にはまった社会活動ばかりが目立つ。起業においても「出来るからやる」、「受け入れられるからやる」という企業者が多いと思う。無茶言うなと言われてしまうかもしれないが、ディープテック系の企業が殆どないのが日本の構造的なところだと思う。我が国では浜松地域におけるものづくりベンチャー支援が進んだ取り組みだと思う。

実際に、全くの新規のものづくりはえらいこっちゃである。先人に足を引っ張られ、風評を立てられ、それでも一歩一歩進んでいくと、なんだかそれが当たり前に思えて来て、社会とお付き合いするのが面倒になってくる。それがこの国の実情では無いだろうか。テストしてやるから100個、無償で持ってこいとか、「もっともっとサービス(無料で)」というのがこの国の大企業のあり方だろう。だから日本にディープテックは育たない。

となると、アントレプレナーシップ教育の為には、それと対等な連携をして頂ける企業群が必要だ。うっかり、ちょっとベテランの者に協力を仰ぐと、途端にそいつがでかい面をして、若者の価値を横取りし、チームを崩壊させる。そんな相談役などご免こうむるのだが、そんな人種の何と多い事。相談役を引き受けますよなんて看板を上げている人と若者を触れさせてはならない。本物のディープテックならば、必ず本物のアンテナに引っかかるのだ。そんなもんだ。

最近「あんたがその昔しゃべっていて、最近、世に出た事について無料で教えろ、それを自社の商売で無償で使ってやるから」と虫の良すぎる言葉を吐きかけてきた方がいらっしゃるが、丁重にお断り申し上げた。それこそ1円も出さず、完成したからやっぱりゼロ円でよこせと言う、これが大企業病でなくてなんなのだ。アドレスホッパーの勇気に賞賛を惜しまないのは、こんな体験を日々しているからだ。