大学院の講義をネットで共有しようという動きが、小生が30代の頃にあったのだ。放送大学が鳴り物入り?で登場してきて、その講義の上級版を作ろうという全国規模のネットワークだった。当時のH副学長に「明日東大に行ってNoって言ってきてくれ」という謎のデビュー戦で、20名ほどの副学長先生達から失笑を買ったのを覚えている。
当時はPowerPointは無かったし、HTMLツールも気が利いておらず、ネット環境も極めて脆弱だったから、作り込むのに相当苦労した。ただ、作ってみると講義内容に対する自分の理解が足りていないなというところが明確になって、その後の講義準備の役に極めて良い影響を頂いたのは間違いない。
従来の板書形式を変えて下さいと言うのは耳障りの悪い事だと思うのだが、次年度以降も活用できるわけで、良い講義媒体に仕上げていくことで、プラスになることが必ずある。EUに入る前のスペインが、全土に張られた唯一のネットワークである郵便局のネットを活用して、官民一体で通信教育資料を作り、国の教育レベルを一気に上げた姿は今も忘れない。
100兆円を超えるバラマキをするのであれば、電子ツールを各学校に配布して頂けないだろうかと思ったりもするが、それはかなわぬ夢だろう。誰を恨むことも出来ない。天然自然の猛威が相手だ。人間として成すべき事を成す。粛々といきましょう。