工学が生むものは?

街中を何気なく歩いていて、突然、爆発が起こってガラスが降ってきたら・・というような事件が郡山で発生した。天変地異は恐ろしい。大雨で地すべり、川の氾濫で多くの命が失われたことは悲しい出来事である。自然には勝てない。突然発生する。しかし、天変地異に文句を言っても、これは仕方のないことだ。一方で、ガス爆発という工学が根本にある技術に拠って大惨事が発生するとなると、これは人為的なミスであって、これは怒りの矛先はある。

山中を自転車でツーリングをしていて、下りのとても気持ちの良い田舎道。田んぼが青々と広がり、風が耳を通り抜け語りかける。カーブが迫り、緩くブレーキを掛けたら、前輪のブレーキゴムが台座から突然外れ、一か八かで田んぼに突っ込み、まぁ、今も生きているというわけだが、これなども不良品だったからというわけで、工学が原因の人為的殺人未遂である。

学生の時、窓の外をぼぉ〜っと眺めていたら、屋上で作業していた方がペンチを落とし、それが目の前に落ちた。30cmの距離である。これも幸い?にして激突しなかった事例であって、作業中に手が滑ったということだろうが、高所で作業する人のペン一本だって体に結びつけているのが普通であって、これも技術者の怠慢であって人為的殺人未遂である。

工学は人を救うこともすれば殺めることもある。正しく使い、それでも不幸を呼ぶこともある。それはそこまで思い至らなかったからだと、原子力発電関係者は仰るかもしれない。しかし、もう、撤退もやむを得ないと思っていたら、燃料サイクルを実現する施設が認可を得た。日本の工学は一体何処に向かうのだろう。天を仰ぐばかりである。