雑草の如くありたいが・・

付加体と聞くと、なんだか、何処かから何かがくっついてそのままになったものみたいに感じるのだが、正にその通り。地学で言うところの付加体は、海嶺で生まれた陸地が海溝目掛けて移動していくわけですけれど、その陸地の上に(海の中を想像してください)プランクトンだの火山の噴出物だの生き物の死骸だのが積み重なって、海嶺で沈み込む時に、上に乗っかった部分が衝突している大陸のヘリによって剥ぎ取られた部分を指すわけですな。正に、大陸に付加されたところ。

それが単純な動きをしているわけではないのでややこしいのですが、日本列島は基本的に付加体で構成されているわけです。千数百万年の風雨で表層がかなり剥ぎ取られているとはいえ、ミネラル豊富な大地であることは、もうそれ自体が恵みなわけです。数億年前から陸地であって、雨が降らないようなところには草木も生えず。作物など育ちようがない。作物には栄養が必要だという事です。

その大地の栄養をしっかりと獲得して、ちっとも雨が降らない名古屋のアスファルト道路の割れ目からもしっかりと芽を出す雑草殿は、この日本列島の歴史を反映しているわけですな。水さえあれば何処からでも生えてくる。それが我が国の大地の恵みそのものなんです。そりゃぁ、ヒ素だったりカドミウムだったりの、目の敵にされる鉱物も一緒に存在しているわけですが、まぁ、それらは上手に避けて活用する仕組みを考えれば良いわけです。

ただ、アスファルト道路を根城にしている雑草君達は、その成長に伴って道路をずんどこ割っていくわけですよ。こうなってしまうと、自動車が激しく走行したり、冬の凍結によって割れが大きくなり、大きな税金を投入する羽目になる。そうなる前に根こそぎ取り去りたいのだが、これがなかなかにして頑固。立った姿勢で簡単に、さっと抜けるようなツールをずっとイメージしているのですが、誰か作ってくれないかしら?結局、自分でやらないとダメかなぁと、炎天下にすくすく育つ雑草を見ながら、雑草の如く有りたいと気合を入れるものの、やっぱり抜いてみたいと考える私であります。