6時25分。御器所駅を北に降りて阿由知通りから東の空を見ると、漸く朱くそして白やんでくる。月と金星とは5時に仰ぎ見た時よりは離れていて、地球より内側を突っ走る星だけのことはあるなと、太陽の引力に感心したりする。宿舎の近くでは明け方氷点下2度であって、久しぶりに氷というものを見た。東北地方など、大変な寒気に見舞われて大変な状況ではありますが、地球の上で生かして頂いている以上、全てを恵みと捉えて覚悟を決めるしかない。
明日よりセンター入試で、毎年この時期に大雪だったり大寒波だったりがやってくる日本列島。4月に入学という状況を考えると、まぁ、この時期なのだろうなと思うけれど、全国一斉の条件で実施するには厳しい季節であることは間違いなかろう。約40年前を思い出して、共通一次試験と呼ばれていた時ではあるが、その頃も雪で開始が遅れたとかなんだとか、ずっと繰り返されている。40年も顧みないのだから、試験を実施する側の都合一辺倒だなと、飛鳥時代から変わらぬ日本の体制とため息が出る。
入試本番と言う訳だが、それに呼応したわけでは無かろうが、鳥インフルエンザの陽性反応である。何処からやってきて甚大な殺戮を生むのだろうか、根源が分からないところが恐ろしい。元から絶つということが出来ない不可思議な病魔で、毎年、心が痛む。人間よりも多い単一生命体の人工繁殖鶏であるが、それ故にか殺戮数が数万に及んでしまい、人間の罪の深さに恐れおののく。自らの命を精一杯燃やし尽くさねば罰が当たると、既に当たっていることに気が付いていないだけなのかもしれないが、命の尊さも強烈に伝わってくる。
そうかどうかは分からないが(まぁ、分かることのほうが世の中少ないが)ロボット犬が再び登場である。現代技術を相当に取り込んでいてもはやPDAと言って良いのではないか。パーソナルデジタルアシスタント。その昔は携帯電脳をそう呼んだし、iPhoneなどはその代表格だが、歩いてきて画像認識して音声判断までして行動に換えるその姿は、人間同士の会話を否定されそうな勢いで、デジタルの冷ややかな笑いに背筋が凍る。命は暖かくなければならないと思っていたが、それはCPUの熱でも良いのか?明日の入試、受験生諸氏に天候が微笑んでくれることを祈るしかない私であります。