デジタル化とデジタルトランスフォーメーションとは全く違う。ゴール設定をせずに単にデジタル化という雰囲気で中堅企業殿が動いている様子が見えてくる。ハンコを無くそうと天の声が聞こえてくるわけだが、無くすだけで何が変わるのか、何を変えようとしているのか。まさかそれで業務価値が向上すると考えているのか?いや、まさか、そんなことを考えている筈はない。そもそも論、業務価値と効率が分けられているところに絶望がある。
今、実施している業務が生み出す受益者価値を最大化させる要因を抽出して、無駄をそぎ落とし、見いだされた業務フローにおいてデジタル化が生み出せる価値を考えて、そのデジタルデータによって別次元の価値を生み出す。単にデータベースを作って云々がDXでは無い。社会学者の方に入って頂いて、人がより良く生きていくにはという議論から入らないと、単に紙を無くしましょうという効率悪化の方向に突き進む。ハンコがあるから出社が必須なんて言っているようではね。
業務目標以上の成果を出したらきちんと評価される仕組みと共にハンコレスをやらないと、どんだけ働いて成果を叩き出しても、それが正当に評価されない状況で、活動状況の管理が出来ないからとか、稟議書にハンコが居るから出社しろというのを、PDFに電子印を押せとか、決裁ボタンで済ますとかね。業務が生み出す価値は全く変わらない。それでは売り上げ向上には決してならない。
会って話さないとなぁんて言っている限り、オフィスレス企業がどんどん若者によって立ち上がっている今、旧態依然の企業は淘汰されるのでしょうね。自社だけ儲けようというところから決して離脱しないしね。今の中堅以上の企業の方々のDXネタを伺っていると、あぁ、5年後は凄い世界になりそうだと思いますね。と、言っておきながら、自分の足元もしっかりしなきゃなとやや冷や汗の私であります。