こうありたい将来を応援する

世の中にJABEEというものが御座いまして、「専門的な課題について自ら情報を収集し,解決方法を立案し,それを実行し,得られた結果を基に,さらに発展的な課題を見いだす能力を身につける​」なんて目標に向かってカリキュラムを作った事がある。未知の問題に取り組む力を身につけよう!というスローガンも着いている。要するに「いろんなことに興味を持って、自ら働きかけを出来る人になってね」ということだ。

情報の氾濫は物凄く、何が正しいのか判断することすら難しい。情報発信限としてまぁ、それなりだろうという新聞だったりを中軸として活動するのですが、それでも「本当か?」という報告書だったりをそれなりの個所からダウンロードさせて頂いたPDFファイルから見出すことがある。自ら云々はエンジニアリングデザイン能力の根幹なんだけど、技術者として倫理をベースに考えられるようになる、興味を持って活動できるようになるというところをしっかりと伝えねばならない。

科学技術に携わる者としての誇り、責任、道徳をあわせ持つ人間性を身につける努力をするというのは、人間として当たり前なんだけど、大量破壊兵器をも作り出せる能力を持った技術者は、ぶれることなく実践しなければならないわけだが、何処までぶれずにそれを貫けるか。学生時代のご指導は大きな影響を持つ。

「自分は将来こうなるだろう」という状況イメージを氾濫する情報から作り出すのではなく、情報などに触れることなく、自らの目と感覚で「こうなりたい、こうあるべき、そのためにはどうすれば良いのか」というところから一歩を踏み出す、そんな若者で溢れかえるキャンパスであって欲しいと願うのだ。誰がどんな風に幸せになるかを考え、自分は何を成したいのか。そんな想いを若いうちに持って、何年掛かってもそれを実現する、それを応援できる社会構築に貢献したい。正直、そう思う。