テクノロジーは?

12月的に、最後のお仕事週という感覚で、今週を過ごそうと思う。今年の振り返りなどどうでも良いのでする気は無いのだが、この年末、やたらと殺伐としたニュースが多いなと感じている。世界を見渡すとオミクロン株の大流行と言うことで、今度は水際対策ってどうなのだろうと思ったら、予想通りに穴だらけの日本だった。デルタ株においては、オリンピックの時期と重なったから、まぁ、ざるだろうなと思ったら見事にざるで、それが終わったのだから何とかするのかなと思ったら、いきなりGoToどうしようってなって、結局ざるだった。日本の懲りない、油断だらけの政治と言うのは、これはもう、未来永劫、治らないのだろうな。

振り返らないと言っておきながら、今年の発言の傾向を思い出してみると、「学ばない日本」ということだったのではないかな。過去を振り返り学ばないということでもあり、しっかりと基礎を学び、未来に挑戦するということもしないということでもある。コロナ禍で半導体が無くなりますよと言って、熊本に誘致する巨大な工場は、結局、自動車製造だけを意識した、世界で最も安定している、言ってみれば枯れた技術の20nmルールものであって、世界が進めているAIチップの1nmルールなんて、日本では意識も出来ないね。このままだと本当に、研究者も、そしてそれを学ぼうとする学生も絶滅するでしょうね。現場が無くなれば発展のしようがない。

するとですよ、世界で最も精度的に厳しいものづくりが日本から無くなる、いや、もう無くなっているのだけれど、日本では何をどのように作っていくのでしょうね。まぁ、先日も少しだけ希望的なことをお話したのだけれど、半導体素子製造を支える基盤的技術の高度化は未だに続いているので、その起業殿には可能な限り応援はし続けたいとは思っている。それらの企業様達に、雇用して頂けるような学生さん達を、日本の大学が何処まで育成出来るのかに掛かっているとは思う。そのためにはパワハラ、アカハラ言われようとも、必死に指導しなければならず、高校までにおいては、その必死さに耐えることが出来る人間形成をして頂きたいものだ。

「むしゃくしゃしたから人の命を奪いました」とあっけらかんと言われると、力が抜けてしまう。そんなことが許される世の中である。人の命程、重いものは無いはずなのに、その消失が余りにも安易で、たやすくて、何故にこのようなことになってしまったのか、世界中でどうようなのか、日本だけなのか?そのあたりの情報が全くないので理解不能だが、発生してはいけない事件であることは間違いあるまい。日本の経済的未来は、結局は今の若者の有り様に掛かっているわけだし、それは永遠のバトンの引継ぎである。急速なIT技術の発展に人間の脳が追いついて行けなかったということであれば、それはエンジニアが引き起こした悲劇である。テクノロジーは何をもたらすのか。悩める1年であった。