大相撲千秋楽

その昔、富士桜関というお相撲さんがいらっしゃって、山梨出身だったのですが、野良仕事でラジオ桟敷で応援物凄く、勝ったもんなら畑中から歓声が響き渡る。山梨出身力士はその後、全く現れず?静かなもんですな。また、その風貌というか、錦絵から出てきたみたいと言うか、日本人にとって相撲というのは古来からの伝統行事であって、国技と呼ばれる程、DNAに刻み込まれているものですからね。まぁ、嫌いではない。

何年前だろう、鶴舞大学には今は無くなってしまったが、木曾福島に修練所があって、駅から10分程度歩いたところに「なかのりさん」の造り酒屋があって、その近くの防災倉庫のシャッターに、その人の錦絵が描かれていた。きっと今も地元の声援を受けているに違いない。その人が優勝しましたな。重量の頃から「上松出身?」と気になっていて、幕の内に入ってからはやきもきさせられっぱなし。もっと稽古しろよとTV桟敷で勝手な応援をしていたものだ。

近郷出身の力士だから、活躍が気になるし、応援もしている。まぁ、勝手に応援しているだけなのだが、負けるよりは勝っていてくれるほうが、そりゃぁ気分が良いものだ。一年を十日で過ごす良い男と呼ばれた時代は遠い昔で、今は年に6場所も勤めないといけないから、心身の調整も大変なものだろう。番付が上がればそれなりの重圧がもろに掛かってくる。そしてそれが公開の場で行われるわけだから、並の神経では勤まるまい。横綱などはどれだけの重圧か。

どんな世界も時代が新しきを生み、自らは老いていくわけだから、どんなに頑張っても勝ち逃げは出来ない。何処かで誰かにバトンを委ね消えていくわけだ。若い力に期待するところは大きくて、スタートアップなどはどんどん挑戦して頂きたい。勝てるかどうか分からずとも、先ずはこんなことをしてみたいと願いを持つことから始めればよい。誰も最初からチャンピオンではない。夢を持ち、その夢を掴もうと鍛錬を積み、歩き続ける。多くが諦めるが、諦めないと何かいいことが必ずある。相撲の千秋楽を拝見する度にそう思う。