ビジョン検証はアジャイルで

フォアキャスティングとバックキャスティングの両方を組み合わせて企画を立てていくことを、オールキャスティング型って言うそうなんだけど、ここまでくると「当たり前でしょ」と言いたくなる。言いたくなるのだけれど、案外、どっかが抜けているから油断は出来ない。フォアキャスティングは料理作りであって、順番に作っていって最後は食べてみて感想が決まるってやつ。バックキャスティングは食卓の笑顔、その後の会話等々、最高の幸せを描いておいて、そこから今に辿り返す方式で、これはコツがいる。

バックキャスティングでって最近はいろんなところで聞くのだけれど、バックしてくる未来の確からしさをどのように検証するかは決まった作法があるわけではない。僕などは性善説で生きているから誰かが笑顔になったイメージからスタートして、時間的に思考を前後させながら検証していく。ゴール的にはそこまで到達しないことが多いのだけれど、それはそれで幸いなことで、まだ、何かが足りなかったことに気が付くわけだ。ビジョンを構成するなんらかの要素が足りなかったってことになるのだけれど、フォアキャスティングよりは足りない要素は少なくなるのは間違いない。

ただ、バックキャスティングで語ると「絵空事」とかね、出来ないことを言うなと偉い方々から怒鳴られたりするんだな。そんなもん、出来ないよとかね。私はそれには批判的だとか。じゃぁ、何故そう思うか言ってみろと尋ねても、これまた怒鳴り返されるだけで、時間の無駄となる。過去にしがみついている方々には本当にご退場願いたいわけだ。ちゃらんぽらんで無責任なほうがよっぽど救われる。まぁ、良いんじゃないと言ってくれた方が、頑固に理由もなく反対されるよりずっとまし。あいつが嫌いだとかわけのわからない理由を聞かされるとやる気が消える。

バックキャスティングは当たり前の思考なんだけど、現在起こっている現象を、元に辿って行くと、バックキャスティングの確からしさの検証になるし、思考のトレーニングになる。ニュースを見ていて「なんでこんなことに成っちゃったんだろう」と思う現象を時系列を遡ると「なるほどね」なんて考えることもあったりする。バブルが弾ける前に大儲けして、その病から抜け出ていないとかね、もうそんな時代じゃないんだけど。理由無く反対される暴力者にはご退場願いたい。