データ負債は?

超大型のデータセンターが世界中に構築され続けている。巨大なエネルギーが無限に生み出されるデータを保管し活用を待つ。そのまま死蔵されるデータが殆どであった時代から、全てのデータが何らかの属性を持ち、高速なAIによってそれらが想像もしていなかった価値を生み出す。その価値は地球温暖化を促進させる電力発生と消費に伴う発熱を生む。戦争もデータ処理も、地球温暖化促進の意味で同等だ。

その昔という程の過去では無いが、雪国において「この雪を財産に換えられないか」と言われたことがある。冷熱を価値とするならば、巨大エネルギーの冷却と、そこで発生する熱の再利用だろうとお話をさせて頂いた記憶がある。データセンター開発企業が、それを北海道でやり始めた。排熱の利用が面白い。きくらげとウナギの養殖である。最近、生のきくらげを小生の行きつけの野菜ショップで見かけるのだが、そんなに流行っているのかと、ちょっと驚いている。

雪を活用できる期間は限られているわけだが、冷熱をどれだけ上手に保管するかは、それこそ平安時代の氷室を見れば明らかで、真夏の時期まで氷として取っておける。積極的に雪を確保して、重力で圧縮して、それなりに保存していけば、夏の入り口くらいまでは冷熱を獲得できるのではないかと思ったのだが、大略、データセンターの冷却用の電力を4割削減可能だそうだ。4割は凄い。何しろ、エネルギー喰いの化け物だから。

本来、そのまま溶けて地下水になり、地熱を下げていく雪だったわけだが、それを地上で人間の都合のために溶かして、そして川に流していく。その効果がどのように生活に現れるのか?自然に手を加えることには変わりなく、いや、水の流れを変えるというのは大それたことではないかしらと、それも語った記憶がある。生態系に大きな影響が無ければ良いが、まぁ、そんなことは無いだろうね。データの生み出す利息が負債で無ければ良いけどね。