斯くの如し

いよいよ名大の拡大路線が新聞報道された。時期的に特区大学を目指した打ち上げ花火だ。当然のことながら本学にも様々な影響があるだろう。法人化時の遠山ショックは記憶に新しい。一緒になったらどうだという声掛けの向こうにあったのは、第二工学部の看板と人員90%減。「論文が何報無いと解雇」だとか、キャンパスの移設だとか、様々な雑音が入り乱れ、結局、鶴舞の地で毅然と工学教育の礎と成っている。

少子化になる、だから教育者は不要という、財務省の圧力に屈する我が親方だが、胸を張って仰って頂きたいこと。国家の根幹は教育にあると。少子高齢化だからこそ、一人一人に固有の「智」を教育しあうチャンスだ。学校を減らす、教師を減らすのではなく、教育者を育て少人数で個々を伸ばし合う教育を実現する機会到来である。100歳まで働けというのであれば、伸びたい若者に超技術(工学だけではない、全分野である)者を招聘し、学び合う場を構築する好機到来である。

大学個々の外部収入を昨年度末比3倍にしろという。東海機構で見たら3倍なんてまやかしは通じないだろう。学校名を残すと言うが、それで統廃合と文科省は認めるか?今のところモデルとされてはいるが、次のステップは言わずもがなだ。遠山ショックを体験した者にとって、甘い言葉はこの世に無いとトラウマとなっている。ポストと土地。徳川時代の江戸時代は未だに終わっていない。維新など遠い遠い。

大切なのは研究者が良い研究を行って科学研究費をじゃんじゃか獲得出来ること。それをどのようにアシストさせて頂けるかに尽きる。産連機構でなせることは、目に見える形では大小の研究機器を論文で通用できる精度で維持管理、そして発展させ続ける仕組みを作ること。更には様々なファンドの情報をいち早く入手し、関係各位に広め、エディットに関与させて頂くこと。その為には様々な裏方仕事が必要になるが、まだまだ到達していない。これまでに様々な黒船がやってきたが、今回も強力だ。私の信念は斯くの如しである。