退廃の太陽電池

屋根の上に太陽電池が乗り出したなぁと感じるようになったのはどれくらい昔かしら。1990年には見かけた記憶はあるものの、恐らく2000年頃だと思うのですよ。太陽電池パネルの寿命が大略2~30年だから、そろそろ廃棄物としてのパネルがごちゃまんと出てくるのでしょう。メガソーラーなんてのが目に付くようになってきたのが2010年頃だから、それらが廃棄物になるのが後10年くらい。大型半導体デバイスの大量廃棄が目の前に迫っているという事だ。

太陽電池には様々な仕組みがあるから、単純には言えないのですけれど、どれだけの鉱物をリサイクルしようとするのか。風雨に耐えるようなパッケージングが成されたデバイスだから、壊すのも大変。半導体だけを抽出するのはさらに大変。金属配線などと混ぜて破壊すると、もう、ゴミ以外になり様がないのではと思ってしまう。しかしそこにビジネスチャンスがありそうな気もする。儲からないだろうなぁとは思うけど。LSIの様に金電極がごちゃまんと使われているわけでは無いしね。

太陽電池という形にするのにも、酸化ケイ素鉱物の採掘から始まって、凄まじい数のプロセスを経て、猛烈なエネルギーを使って作る太陽電池だから、それを破壊する時に、丁寧に分別すればするほどエネルギーを使う事になる。すると、太陽電池は完全廃棄が地球温暖化抑止的には正しい姿であって、貴重な元素はゴミとして将来の発掘者を待つのが良いのか?

世界中で始まる太陽電池大量廃棄時代なのですが、これ、全く議論されてこなかったけど、どうするつもりなのですかね。都市鉱山ってLSIチップに使われている貴金属の回収とかね、そんなところが注目されてきたわけですよ。シリコンをリサイクルしようなんてお話には決してならない。これをクリアしようとすると、とんでもなく電力を食う。電気で作ったものは電気で分解しようとすると、恐ろしくロスが出る。太陽電池って本当に環境に良いのか?考えなければならない。