メディカルメッセにて

名古屋商工会議所主催のメディカルメッセに市場調査に出掛けた。大略往復2時間のイベントであったが、実りある時間であった。いったいどんな実りなのか。戯言だからろくなことは言わないが感想まで。勿論、鶴舞大学として医工学連携を推しているということがベースにあって、当該分野における共同研究なりファンド獲得なりのきっかけになればということが目的である。実際にお会いして仲良くなってというプロセスは、手っ取り早いという点においては良いのかもしれない。ウエブだけでは解らない情報も得られたしね。

勿論、オンラインでも得られないわけではないが、こちらのペースで相手を喜ばせるというリズム感は対面がやりやすい。そこをもっと磨かなければという知見にもなった。で、自動車関連が中核だけれども、このまま一本足打法ではというお会社が複数社いらっしゃった。そしてテック系ベンチャーとしてものづくりに挑戦していらっしゃるお企業様もいらっしゃり、その流れなのだろうなと実感した。いつまでも内燃機関のギアシャフトを作っている場合では無いのだ。

医療機器は大別して2種類。分析機器や消耗材で、購入したらそのまま活用できるもの。もう一点は医師や患者へのカスタマイズ・蝉カスタマイズ商材である。これが4つのタイヤを付ければ売れる自動車とは大きく異なる。市場規模も全く違う。医療機器では無く、創薬企業と自動車企業を比較してみると、創薬で大きな売り上げとすると2兆円/年程度。T社さんは30兆円超え。利益は前社が3千億未満、後者は約4兆円。そして重要なのが研究開発投資で、前者は4千億円程度、後者は1.1兆円である。国からの助成が無いと開発を続けられない創薬と、こんなに儲かっているのに大企業消費税免除を受ける企業。

医療機器開発も同様であろう。人は必ず病気になるから、必要なのだけれど市場が大きいかと言えばそうではない。自動車製造から新規事業として参画したとしても、自動車時代の気持ちであると、規模が小さく、認知されるまで10年以上を要する。医工学連携の難しさがそんなところにそんなところにあろう。目指すのはその機器を使われた患者の笑顔の獲得である。企業の利益ではないのだ。それを割り切らないと医工学で継続してビジネスは困難であろう。しかし前向きなお企業が多かったことは光明であった。これからもお付き合いをお願いさせて頂きたい。そんなメッセであった。