時代は変わったよ

いよいよ新車販売台数が世界三位になりましたな。人口を考えれば当たり前の話だし、日本と言う極めて狭隘な国において、いつまでも新車販売台数が世界第二位と言うのもかなり変なわけだ。営業用の車などを売り付けて、良質な中古として海外に送り出すというアンチSDGs戦略も終焉を迎えたということだ。車両に使われる素材のリサイクル率は極めて高いから、資源の無駄遣いでは無いと威張っているのを某所で聴かせて頂いたが、作るのにも、リサイクルにも巨大なエネルギーが投入される。そのコストを購買層に肩代わりさせるビジネスモデルだ。

自動車製造のお話になると、日本産業の中枢だから、それを無くすことを考えてはならないという不思議な議論になるわけだ。もう世界は、大きな買い物と言うよりも、質の高いものを長期間にわたって活用することで、個々が喜べる価値観を育て、スモールな世界が幸せの場となるようなビジネスを展開することで、場同士で多様な価値を共有できる方向に動き出しているのに、未だにこの国は旧態依然、大量生産・消費・廃棄がお好きである。

もう一度、半導体産業をなどと言い始めているわけだが、それは良い傾向ではある。こんなものがあったら良いというものが、全て海外製品ではマーケットに行ってもちっとも面白くない。それはこの国において最適化されていないからである。こうありたい、こうあるべきを実現していないからである。汎用品は所詮、代用品である。それは購入した瞬間からゴミである。Z世代諸氏からすれば、汎用品の自動車などは持ちたくない筆頭格であろう。EVよりキックボードを選ぶのではないか?しかし大人はそれらの活用の場に規制を掛け楽しくない世界を創り出すことに入れ揚げる。

ベンチャーを立ち上げる若者には、YouTubeという自己満足発展形だけでは無く、モノづくりにもチャレンジして頂きたい。そして大人は、その発想を面白いと思わねばならぬ。今まではでかい面して若者に「こうあるべきだ」なんて言ってきたのだから、その逆の立場に立っていることを認識せねばならぬ。特に日本の社会は、若者の生き血によって生活が保障される国だ。その若者に神戸をたれねばならぬ。その現状の表れが、自動車だけでは無く、様々なものに現れるだろう。次はどの産業だろうか。そんなことを思っている。