アンチ無償

東京オリンピックの開催を求める時のプレゼンに「お・も・て・な・し」というのがあった。小生は「ろ・く・で・な・し」と聴こえてしまったが。万人のオーダーのボランティアで支えますという、そんな継続不能なことを提案して良いのかと思ったことを覚えている。人が無料・無償で働いて、それを是とする考え方は、小生は嫌いである。労働には対価が必要だ。当然である。その根底から考え方を変えねばならぬ。

昨年、某企業のお偉い方が相談に乗ってくれとやってこられた。コンサル的なお話で、それと抱き合わせでとある契約をということで来て頂いたのだが、結局、アイデアのタダ取りをやられて、立ち消えになった。最初からそのおつもりだったのでしょうね。騙されたこっちが悪いのでしょうけれど、もう二度と、お会いすることはないだろうなと思っている。それは即ち、アイデア出しまでは無料であるという日頃の思い込みが成せる業だ。

大企業が利益を無限に出し続けることができるのは、上意下達で中小殿からアイデアを出させ、設計させ、いちゃもん付けて直させて、素材の発注やらなにやらのバックヤードワークをゼロ円と見積り、それをのませるからだ。中小企業は給与を上げようと思っても、揚げられない現状がそこにある。お役人が政治家殿の無茶振りに24時間不眠不休でサービス残業していることも同様である。その悪しき因習が無くならない限り、日本は一流国と呼ばれないでしょうね。

おもてなしを商材としている旅館なども現れてはいるが、それは極々限られたところ。まだまだ一般的では無い。それらはお金持ちのインバウンダーを相手の商売だから出来る技で、貧乏な日本人が活用できるものでは無い。国は中小企業に補助金などを出しているよと威張るのだろうが、本来、それは税金であって、使途として正しいのか?正しいB2Bが成立していれば要らないのではないか。政治家は真面目に国の将来を考えよ。腹立たしい。