何時頃正式発表になるのかなと思っていたら、まだ、リークというか、故意のリークなのだろうけど、ついにMRJは飛ばないことが決定してしまいましたね。日本は旅客機を作れない国。それが露呈してしまったわけだ。鶴舞大学は戦前には航空機の開発もしていた老舗であるわけだけど、完全にかどうかは解らないが、現時点で、国内製造という道は再び塞がれたということで、妙に切ない気分である。
MRJのモックアップに入らせて頂けた数少ない日本人だと思うのだけど、それは心地良かったですよ。こんな機体で旅をさせて頂きたいと、心が躍ったのは事実である。開発に携わった方とも直接対話をさせて頂いたこともあり、なんとかならないものかと想ってはいたものの、いずれこの日が来るのだろうなとは思っていた。思っていたのはエンジンが海外の企業のものだから。エンジンができなければそれは国産とは言えないだろうというのは僕の考え方。
大型機のエンジンと言うものはとてつもなく難しいものだろうと、飛行場で大型機のエンジンを眺めるたびに思う。超高速で回転するニッケル基合金製のブレードがミクロンオーダーの精度で並び、ほんの数ミクロンのゴミが活着していただけで根元から折れエンジンケースをぶち破る。そんなニュースを拝見すると、これを工業製品としてお客様の安全を約束するのはどれだけ大変なのだろうと思う。しかしそれを実現して欲しかった。
自動車においてもエンジンは究極の姿だなと思う。F1を代表としてその究極の環境で活躍する工業製品を作り続けることこそ、国力だと信じてきた。それに挑戦しようとする姿が神々しくも思えた。挫折と言うことになったのだが、こうなってくると、共に夢を見た企業群も元気がなくなるだろう。4選を果たした知事殿にはいきなり厳しいハードルを突き付けられたように見える。またゼロからスタートだが、再スタートを求めたい。勝手な言い分だが、そう思う。