三方良しとは

近江商人のお話をさせて頂くと、「三方良しですね、顧客良し、社会良し、自分良し」とお客さんを一番先に持ってくる。これは間違い。近江商人が目指すのは常に自分良し。自分が最高に幸せにならなかったら、他者を喜ばせることなど出来る筈が無い。自分が他に成せることを最大化していく努力を怠ってはならない。成長しているなと意識する己惚れ屋になってはいけないが、最大限に血を滲ませて歯を食いしばって自らを高めていく。だからこそ、三方良しとなる。勘違いをしてはならない。

技術者がその技能を高め続けるから、その技術活用者である川下企業は利益を上げるのだ。しかし、この旧態依然のピラミッド構造による産業発展においては自分だけ良しが貫かれてきた。漸く、6G活用に向けてビッグ2がコンビを組みそうだが、是非ともそうして社会をリードして頂きたい。共に良しだから社会が良しとなっていくことを実現して頂きたい。するとその場をイメージして、新規の半導体陣営も頑張ることが出来るだろう。経済成長の原点は、まず自らが最高に輝く事である。

図抜けると足を引っ張る群れがやって来て、折角の努力が水の泡なんてことを恐れる必要は無い。今の自分が他を圧倒する努力で成り立っていると考えることが出来るならば。出る杭は打たれるの例えはあるが、打つことが不可能な程に、一気に出てしまえば良いのだ。人間の努力はすさまじいので、実現可能である。それを遠慮したり、本気の努力をしないから、図抜けないだけである。図抜けない人が商売なりをしても倒産するだけである。中途半端なベンチャーなら起業しない方がよろしい。

話は飛んでしまったが、自らは「この能力を他に活かして頂けることが出来る」と発信し、「その能力で自社は他社をこう導きたい」と願う社が連携して新規の世界を築かねばならない。それこそがビジネスエコシステムの有り様だし、他社に活きて頂く自らであって、それが三方良しの世界観である。社会はどうなるのだろうと不安がるなら、まず、自らの有り様を見つめるのが宜しい。本当に必死になっているか。怪しいものだ。