知恵比べ

カラスが増えてきた気がする。そして賢くなっ来ていると感じる。緑区と言う田舎においても宅地化が進み、カラスの住処は沢山あるのに、ネズミなどの小動物がへっているのだろう。燃えるごみの日の人とカラスとの格闘はすさまじい。ネットを掛けているくらいでは上手に剥がして、中の生ごみを引っ張り出す。すると人はコンテナケースに金網を掛けて、その上から重石を乗せてカラスと力比べをするわけだが、そうすると、ごみ収集の皆様の労力が大変なことになるわけだ。

カラスとの知恵比べのはずが、力比べになり、そうなると今度は人間の利便性を阻害する方向に向かう。海洋マイクロプラスチックが魚に蓄積されて大問題だとか、ビニール袋をウミガメが食べて死ぬからと、脱プラスチックと言うか、SDGsというか、聞こえが良い方向に向かって動き出すのだけれど、便利を求めてきた人類がそう簡単にそれを手放すのかなと悩みながらも、新規開発は正しいとは思う。雑草という無限の資源を活用出来たらと、多くの人は思っているに違いない。

ススキを生活に取り入れていた時代があったわけで、勿論、そこに戻ろうなんて決して言わない。では瓦屋根はそれを製造するときにCO2を大量排出するから許されないとか、言っている人はいるんでしょうけれど、何処までそれを突き詰めるかだね。焼かないセラミクスというのがあるけれど、アルカリ処理でそれが環境に完璧にやさしいと言い切れるのか?そのプロセス全てにおいて、エントロピー変化を生じさせるために活用する薬品だのなんだのを含めてカーボンネガティブと言えるのか。

カラスの知恵の進化に魂消るわけだが、人も同様に進化しているのだろうかと疑問に感じる。これが気に入らない、あれが気に入らないと言うのは簡単なんだけど、じゃぁ、全ての人が気に入ることってなんなのかと言えば、空気や水が綺麗であって欲しいくらいのものだろいう。いや、水で儲けている人は、綺麗であってもらっては困るというかもしれない。絶対なんてものは無いなと、カラスとの知恵比べをしていて思った次第だ。