極めてマニアックなお話だが、筑波にある高エネルギー加速器研究機構(KEK)において、電子・陽電子の衝突実験の成功が伝わってきた。ビッグバンの直後、高密度の電子・陽電子空間において発生したはずのこの現象により、中間子やクォークが発生し、加えてそれらが結び合ってハドロンが出来たことが観測された。電子・陽電子からだけから陽子、そして中性子が生まれることが実験的に確認できたことになる。即ち、素粒子があれば人類はちゃんと生まれるということだ。
なんでこんなに盛り上がる?かと言うと、小生がガマの油売り大学に入学する時から実験されていたからだ。トリスタン計画なぁんてのがあって、明日にでも衝突がおこるぞって感じだったのだけれど、何と何と、37年の長きにわたり実現しなかったのだ。それを執念で実現された研究者を始めとして、その仲間の皆様全てに敬意を表する次第です。昨日、帰りの新幹線車中のテロップで見て、独り(恐らく)大喜びしていた。
135億年前の現象だが、それを仮想的ではあるが実験実証できるところまで人類がやってきた。135億歳という感じがする。電子・陽電子を使って、小生が生きている間に酸素ぐらいまでの元素合成をやって頂きたいものだ。それとても相当に大変なことだが、なんとなく太陽の模擬くらいならやってくれそうな気がする。他力本願の真骨頂である。
翻って考えると、学生時代の夢の一つが終わってしまったとも言える。永遠にぶつからないんとちゃうかと思っていたが、やっちゃいましたねぇ。次に何すんだろう、加速器ジプシーの皆様、そして友人のまのぶ君。CERNに集まって幽霊でも観測するのかしらとおちゃらけてみたりもするが、人間の好奇心の究極まで突っ走った後、どこにいくのだろうかと、折角の連休だからのんびり考えてみるかと思う私であります。