締切考

毎年のことで慣れていると言えばそうなのだが、締切がお盆明けから一斉に増えるということ。お盆前に解っていたことでは無く、新規にどどどっと襲ってくるのだ。勿論、お盆前からの頼まれものもあるのだが、それはかなりの案件をお盆中に撃退できるからそれはそれで良いのだ。お盆休み中に申し訳ないということは全く無くて、24時間、お仕事をさせて頂ける期間中こそ、お仕事を押し付けて頂きたいものだ。ご先祖様とそんなに長く戯れるわけでは無いからね。

リフレッシュしているのだかいないのだか解らない状況でオフィスに入ると、恐ろしい密度で締切付きメールがやってくる。内容が面白ければ良いのだろうが、解釈出来るまでに時間が掛かってしまうような、難解な文面にのけぞり、極めて近未来の締切を拝見してはのけぞり。次々と締切一覧がビジーになっていく様に、逃げ出したくなってしまう。逃げるところが無いというのが問題なんだけどね。

既知の間柄に向かってのプレゼン依頼というのが最もハイストレスである。初見の皆様相手なら「はい、ごめんなさい」で逃げ切れもするのだが、半ば追っかけの聴衆相手だと、必死になって新規の話題を作らなければとなり、これが猛烈にストレス源となるのだ。講義であってもそうだからね。毎年同じことなど話していたら、留年生に申し訳ないと、気合を入れ過ぎると、留年生が雪だるま式に増えていくから要注意だ。

審査というからには適合・不適合を決めねばならぬ。絶対値で通過させることが出来るのであればそれは気安いのだが、順位付けとなってくるとそう簡単では無い。ピンとキリの分類はこれはまぁ、容易ではあるが、チーム「ピン」を決めていく良心の呵責というか何というか。こんなことをさせないで頂きたいということなのだが、しかもそこには必ず締め切りがある。土日だっていろいろと新規に襲ってくるのだ。締切の無い世界に行ってみたいものだが、それはそれで厳しい世界なのかもしれぬ。より良くということに押しつぶされるのかもしれない。人間の悩みは尽きないものだ。