子育て支援?

子育て支援で大学無償化とかね、約4兆円もつぎ込むそうなのだけれど、折角、育った人達が夢と希望を抱ける未来が日本にあるのかななどと悲観的な想いがよぎる。10兆円ファンドに手を挙げさせて金をばらまくから、大学はもう良い。後は、子供を増やすだけという、これまで何十年と成功しなかった出生数増加が、3人目からは大学進学をゼロ円で実現させてあげましょうと言う代物なのだが、そんなことで増えるんかいな?

そもそも3人目ありきという考え方が何処からくるのだろう。円安と給料安のお陰で、一人だけでも精一杯の臨界値を超えてしまうのに、長老政治の昭和30年代が懐かしい人達は、現状から遥か彼方にいらっしゃるから、人口増大を続けていた頃をもう一度と想っているのだろうか。少子化は先進国の辿る道だし、食糧自給率もエネルギー自給率も、国民を養えない状態にありながら、一人当たりのGDPを上げる算段では無く、3人目から無償化で国力が上がるとでもいうのか?

3人目が無償で大学に入るとしよう。その3人目はどんな大学に入るのか?入った大学が国際的に認知されない程度の大学であったらどうするのだ。教育・研究に国が選択的投資を続け、破壊的イノベーションを発生させる基礎的研究を無くし、短絡的に社会に実装される研究のみにしか資金を投じない状況で、教育の質をどのように担保していくのか。そんなものは各大学が考えろ、寄付金を集めて自立しろと迫ってくるが、パーティー券のキックバックなど望むべくもないのだ。

日本がオワコンと言われて久しいが、バックキャスティングの思考も出来ない社会を作り込んでいく政治家諸氏の旧態依然さに呆れるばかりである。心ある若者が海を渡っていくことを止めることは出来まい。存在している知識を知恵に換え、社会に活用して頂くことは勿論だが、その知識は、途方もない仮説と検証を繰り返して生まれてくる。その場が大学であり、その繰り返しが無くなった場に入った3人目の末路やいかにである。呆れかえる。