リスキリング考

リスキリングとかリカレントとか、なんだか簡単に語られてしまうのだけれど、アウトプット型とアウトカムズ型があって、人が本当に育ったのかまで考えると、そのエビデンスというか、チェックまで含めて極めて難しい。名工大は6年一貫を作ったけど、東大が5年一貫で修士を出すということなんだけど、どんな人材に育っているのか、その効果が発揮されるのは早くても卒業後5年後以上だろう。しっかりとアウトカムズを定め、そのKPIを定量的に用意しておく必要がある。

10年後どころか5年後すら推測は極めて難しい。その時期において、世界に向けた提案が出来ればそれは素晴らしい事だが、迫りくる事態において、どのように行動していくべきかを自ら判断し、他と議論出来、ストーリーを描き、アウトカムズを発信できる能力が求められるわけだけど、勿論、そんなに容易な事では無い。容易な事では無いのだが、AIのサポートを受けるのか、AIに従っていくのか分からないが、あるものの改良であればAIに任せればよく、新しい人の喜びをイメージ出来るかどうかがキーである。

夢多きお話である。記憶の羅列では無く、人への喜びを喚起できるかが肝であるわけだが、5年の後に限らず、水と食糧、エネルギーが世界中で増え続ける人口をサポートできるかという課題は加速こそすれ、無くなることは無いはずだ。それが満たされないと暴動というか戦争というか、継続していってしまう。そこにこそ、人材育成の効果が発揮されなければならない。大勢の中で意見を発信出来、更に、人の意見を聴ける力。聴き力ということなんですけどね。それを教育で獲得して頂くことは容易では無い。

省エネという分野に限っても、乾いた雑巾だと思っていたところが、実は大きな湖だったという程に、エネルギー消費削減に繋がったりする。いつも身近にあるが故に気が付かないということが沢山ある。異分野でダイバーシティ。どの様にそれを作るのかはAIが考えてくれるだろう。しかし、何故、それをやらねばならないのかは人間が考えねばならぬ。広い視野で思いやりを持てること。それが教育のベースにあるべきだ。三つ子の魂だとするならば、リスキリングは遅すぎるのかな。最近、そんなことを考えたりしている。