鉄旅は

休暇というものは何物よりも高速に去っていく。まぁ、1日は時間泥棒に盗まれてしまったが、他日は死守させて頂くことにする。ということではないのだが、今までやってみたくてやれなかったことをやってみた。やれなかった理由は、地の底から墓場を通って湧き出てくる呪いのような仕事が止むことが無かったわけだが、湧き出てくるものをそのままほったらかして、無視させて頂くことにして、ちょこっと訳の分からない旅に出てみた。

ただひたすらに鉄路にまたがり続けるだけなのだが、5時半から20時半頃まで、15時間にわたってひたすらぼぉ~っと身を任せているだけである。忍耐の鉄路と言われ、一度は試してみたいと思っていたのだが、漸くそのチャンスが巡ってきた。大勢の御同輩には驚かされた。乗り鉄の人達って多いのだなと、ずぅっと同じ経路をたどる方が何名もいらっしゃって。あちらもこちらを同じ目で見ていらっしゃったのでしょうけれど、まぁ、お互い干渉せずということですな。

この年齢で活用するのは憚られるということではないのだが、季節性のおなじみの各駅停車しか使えない、とは言っても、通勤快速みたいな鉄道を使うことは出来るのですけど、そのご利益を頂けたのはわずかの区間だけ。わずかと言っても1時間以上は乗っているわけですけど、えっらく高速に感じましたな。新幹線の偉大さが身に染みるというもの。ただ、新幹線で失っていたものが沢山あったのだなとも感じた。

お仕事の為だけに費やしてきた人生であったわけで、そこにこのように怠惰に時間を垂れ流してみると、これがなんだか、人間の有り様だなと、人生の教師に感じてくるわけだ。ハンドルを握りながらでは、見えていても意識は安全な動作に向かっているので、景色は意識に変化しない。鉄路においては全てが意識になり知恵になっていく。鉄旅の本質はそこにあるのだろう。学ばせて頂いた。

挑戦しないとこうなる

電気料金を税金でアシストしようというなら、最初から税額を下げておけばよろしい。電力発生、伝達、そしてそれらのメンテナンス等々、電力関連企業は基礎研究から雪中山岳の保守までを担い、国の根幹インフラ企業として活躍していらっしゃる。国民、企業はその恩恵に預かっているのだから、その対価として正規の消費電力料金を支払うのは当然である。それをいけしゃあしゃあと8月からは税金で補填しますよという。

所得に応じて税額が決まっているわけだが、それと同じ割合で電力料金軽減に反映するというわけでは無いので、国民に対して一律の補助というわけではない。そもそも論だが、購入したら代金を支払うのは当たり前だ。資本主義の原理原則をふっとばす首相のあり様は如何なものか。

結局のところ、マイナンバーカードすらちゃんと駆動させることが出来ない、テクノロジーレス国家であるが故に、冷房を満足に活用できない国民が出てきてしまうのだ。適切な工学を発展させることをしないから、中途半端な社会実装で終わる。それは工学者の怠慢でもあるのだが、基礎の基礎である研究にお金を投じない、それ故に、教育も盤石なものとならない国家の教育への投資の怠慢の結果である。

勿論、学者達が研究室運営の日銭を稼ぐことに注力し、研究がどうあるべきかのマネジメントを怠ってきたからとも言える。IT、IoT、AIに掛かるソフトウェア・ハードウェアの開発にはスタンダードは無く、無限に進化し続けるわけで、セキュリティとクラッキングも同時進化だ。防衛が完璧でなければならないと偽善者は騒ぎ立てるが、情報の価値を考えて、チャレンジする国民になれないものか。ずるずると世界最貧国に堕ちていく。まっぴらごめんだ。

覚悟はあるのかな?

変ることはとっても怖い。だから変えられない。老舗の味も変わっていく今、組織のあり様が変えられないというのは致命的である。また、乱暴なことを言い出したなと思われるかもしれないが、旧態依然は死出の道しるべ。IT、IoT、AIがこれだけ進化した今、従来の人間の思考法を中核とした組織の形態は既に死に体である。それは組織だけでは無くて、社会に多く存在する規制だとか資格だとか。様々、変わらねばならぬが、この国は変わろうとしない。

そもそも「これからも必要とされるのだから」という言い訳が成されるのだが、必要とされるかもしれないが、必要とする人から見ると、資格に求めるレベルが高度化しているに違ないのに、昨日までのルールで押し通そうとする。それは則ち自らの存在理由を否定していることに等しい。

なりたい自分は何か、成し遂げたいことは何かを実現したい。その為には今のあり様では出来ないということであれば、変わっていくしかない。そして、成し遂げさせたいことが旧態依然であるのであれば、それは当然、変革が必要である。「人口が減ったと言っても84万人/1億2千万でしょ!という意見があるが、それは見当違い。SNSの影響を受けて変革している人口は数千万人であり、もう、メジャーである。

自動車の売り上げも下がってきた。必要な部品も工場も、分析機器も必要数が減ってくる。自動化で生産効率が上がれば、作業人は要らなくなるし、人依存であったカンコツが自動化されていくから、加速的に人の入れ替えが起こるだろうが、それはベテランが居なくなるということではない。ベテランの言葉を解釈でき、新しい技術として思考できるレベルの若者が求められるということで、旧態依然の教育団体はご退場となる。覚悟せねばならぬ。