ちょっとした異常事態と言っても良いと思うのだが、この2週間、居室のエアコンが停止している。機器の交換ということなのだが、朝、6時半に部屋に入った時に、既に気温計は30度を指している。漏れなく熱中症が付いてくる新しい働き方改革か?じとじとと汗が流れ落ちる、その昔であれば8月に数日あるかないかという気温の状況だが、昨今では普通の気温となっているが、こうして物書きをしている間に30度を超える状況になってきた。
御器所駅で地上に出ると、どしゃぁっと夏の風物詩のセミの命の合唱というか叫びというか、梅雨があけたぞと、そこまで頑張って宣言しなくても良いではないかと、そんなに頑張らなくても良いよと語り掛けても伝わりそうにない喧噪である。セミの声の音波が空気に交じり、何か、体にねばりつくような感じがするのだ。
室内で30度越を体験していると、まぁ、貧乏学生の頃を思い出しますな。もっともガマの油地方はそんなに暑くはならなかったのですが、安アパートのブリキの屋根は、直の日差しよりも強烈な熱波を室内に送り、とっとと出ていけという、そんな雰囲気でしたな。大学以外に行くところが無く、結局、延々と研究室に籠っているという状況になり、現在に至る。
被災地の皆様を想えばエアコンのダウンなどなんてことは無いのだ。こうして普通に生きていることの有難さをかみしめなければならない。母の実家に到達する途中に巨石がごろごろあり、「子供の頃に土石流があったのだ」との話は耳と目から離れることは無い。自然の力。人は挑んではいけない。挑むと大やけどをする。災害の最中、常に思う。人は弱い。それで良いのだ。