ワイヤレス

ワイヤレス受給電技術の進化は著しい。携帯電話などは元来、ワイヤレスで使うものだから、受給電だってワイヤレスが望ましいに決まっている。そうなのだが、これがなかなか難しい。抵抗を持つ金属に周波数の高い電磁波を送り込むわけだから、当然のことながら発熱する。発熱要因は他にもあるのだが、目玉焼きは出来ないけれど、発熱は火災に繋がり、極めて危険である。その危険をどう回避するかで次のiPhoneの出荷時期が決まるらしい。

たかが電源、されど電源。身の回りにある電力を消費して稼働する機器には、パワーエレクトロニクス用半導体が多くの場合入っていたりする。交流を直流にしたり、その逆をやったりと、なかなかにして賢い代物だ。発電所と機器を繋ぐ、ラスト1cmの働きをしてくれる。日本の強みでもあるのだが、昨今はTIなど、海外勢が極めて堅調で、いよいよもって日本の優位なエリアが無くなってくるなぁと、寂しい限りである。

イヤホンと言うかヘッドホンは既にワイヤレスが当たり前になっていて、当初の妙なノイズ感もかなりなくなってきてかなり便利を味わっている。化石な小生は、先日、漸くFMトランスミッタを車に積んで、iPhoneに貯め込んだ音源を走行中に聞けるようになった。ワイヤードではやっていたが、やっぱりケーブルは無くしたい。その思いでやってみたら、これがやっぱり便利である。CDと違って無限に存在する音源を、交換することなく聞き続けられるのはなんとも極楽である。

この極楽さこそ価値であって、2千円程度の出費で実現できるのだから素晴らしい。説明書がなんだか分からなかったのだが、こんなところかなという感じでいじっていたら動き出した。こんなものも恐らくはより賢くなって、設定も自己完結してくれるように進化するのだろう。人間はどんどん馬鹿になるのだが、その分、機械を考える人は賢くなるのだろう。机の上のケーブルが一本でも減ってくれたらと、そんな日にとっとと来て欲しいと願う私であります。