旅は永遠に

善光寺平の眺めは清々しく、しかし、草木が茂って三大車窓と呼ばれる景色がなんだか残念なことになっている。これでは電車で旅を楽しもうというご同輩は増えないだろうなぁというのが素直な気持ち。鉄道の旅は何といってもそのお気楽さが良くて、お気楽だからこそ旅だなと感じるのです。特別な料理や温泉、つまらないサービスなどはいらないのです。ほっとする景色、空気があればそれで旅。気持ち的に常に切羽詰まっていて窒息感満載。そんな時の厳しい出張でも、車窓でほっとする瞬間があればこっちのもんだというところですかね。

車窓の景色は重要なのですが、新幹線という極めて一般的な車窓で例えるならば、はやり富士山ということになるでしょう。E席の皆さんはカシャカシャと携帯で写真を撮られる。小生もまぁ、似たような者だったのですが、ある時A席に乗っていてあらまぁという富士山に出会ったのですよ。ご存知の方はなぁんだとなるのでしょうが、これが実に「美」なのですな。基本的にA席に座るのですが、その車窓が楽しみにはなったのですが、最近はただただ寝ている車窓だったりして。

久し振りの駅に着くと「変わってないな」か「びっくり!」のどちらかになりますな。長野は前者でありまして、オリンピックの後に路面電車の地下化の後は、ほぼほぼ安定状態。と、思っていたら、馴染みのお店がたたまれていたりして、仕方がないので新しいお店を見つけたりもした。この辺りはいずこも同じ、秋の夕暮れではないけれど、お客さんが来ないのでしょうね。観光立国など遥か彼方のことでありましょう。

旅は道連れ世は情けという通り、道ずれがあるとこれは面白い。生き方の違いがまたよろしい。世代を超えると更によろしい。リニアが普通になる時代がくるんでしょうけれど、サイクリング野郎の小生とすれば、そのくらいのスピードが良いのですよ。ちょっとした景色に感動する心があればこその旅。そんな旅を求めつつ、今日も移動の私であります。