寒気

朝、突然の寒さである。昨日までは寒いと言えば寒いが、朝、さみぃなぁと感じたのはこの季節で初めてのような気がする。天気予報では12月中旬並の寒気が入り込んだということで、体感はあながち間違ってはいなかったなと、間隔ボケにはなっていないなと、ちょこっと安心である。しかし、急激な冷え込みは体力を奪うので、皆さま、御自愛くださいね。

1ヶ月程早くなったシベリア寒気の南下だが、これは正に温暖化の賜物で、いよいよ地球のバッファが尽きたなと感じる。海水が炭酸ガスを吸収し、海の底まで行き渡るまで数百年単位と言われる。ワットの蒸気機関以来、人類は機械の力を大地から燃料という形で頂き、炭酸ガスの形で返却してきた。受け取る側はせっせと海や大気にため込んできたが、いよいよ限界ということだろう。台風を発生させる海流が南に下ったなぁと思った途端の寒気の南下である。

そもそもシベリア寒気は北極寒気に押し出されて南下するわけだが、北極圏の寒気団は北極の広い範囲の分厚い氷が前提で渦を巻く。上空の強烈な寒気が降りても、氷がそれを温める能力が小さいし、加えて地球の自転の影響で渦を巻き、その渦が寒気を閉じ込めてくれていた。寒気を貯金していてくれていたのだが、その力が弱まって、寒気が極地から中途半端に噴き出してきて、シベリア寒気を日本に押しやってくる。早い寒気の南下は極地の暖化だし、寒気の貯金が早く無くなるから桜の開花も早くなる。

何かが変わるということは、何かのトリガが働いたということだ。言ってみれば、「おやっ」っという目立った兆候が無い真っ暗な世界であれば、そこには滅亡は無い。しかし、何かを変化させていかないと、先に変化したものに飲み込まれ滅亡がある。人も家も暗いうちは滅亡は無い。しかし、情報化で地上の隅々まで明るくなった今、暗いうちは良かったなと懐かしみ隠れる我が家は無い。今日も一歩出てみる。そんな気持ちになる今朝の寒さである。